今回ご紹介するのは『ガーゴイルゲッコー』と呼ばれるヤモリです。
やや物々しい名前のヤモリですが、性格は穏やかで飼育も難しくありません。
この記事ではガーゴイルゲッコーの生態や飼育方法についてまとめいてきますので、飼育の参考になれば幸いです。
ガーゴイルゲッコーの生態
(goodlifeherpsより画像引用)
英名:Gargoyle gecko
分類:イシヤモリ科ミカドヤモリ属
分布:ニューカレドニア
全長:25cm程度
食性:雑食(動物食傾向が強い)
繁殖:卵生
ペットヤモリとして非常に高い人気を誇るクレステッドゲッコーと同じで、ニューカレドニアに生息する固有種となります。
ミカドヤモリ属、いわゆるラコダクと呼ばれる属に含まれており、以前はガーゴイルゲッコー、ニューカレドニアジャイアントゲッコー、クレステッドゲッコー、チャホウアジャイアントゲッコーあたりを指す人気ヤモリ属として有名でした。
現在は分類が細分化されたことによりクレステッドゲッコーやチャホウアジャイアントゲッコーがラコダクから抜け、ガーゴイルゲッコーとニューカレドニアジャイアントゲッコーを含む4種で構成されています。
ガーゴイルゲッコーの生態
和名ではツノミカドヤモリとあるように後頭部に5本ほどの突起があります。
主に森林に生息しており、雑食であるため昆虫や果実など様々なものを捕食します。
夜行性ですが昼間に日光浴をすることも多く、飼育下においては紫外線の照射をすることが望ましいとされています。
樹上性ではありますが、趾下薄板がクレステッドゲッコーなどと比べると小さく、垂直な壁を登るといったことはやや苦手としています。(このことからホソユビミカドヤモリとも呼ばれます)
ガーゴイルゲッコーのモルフ
ヒョウモントカゲモドキほど豊富ではありませんが、ガーゴイルゲッコーにもモルフと呼ばれるものが存在します。
わりとショップやイベントなどで見かけるモルフについていくつかご紹介しておきます。
ストライプ
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レッド
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マーブル
異なる色調のものが全身に広がっているモルフ。
ガーゴイルゲッコーの飼育方法
飼育者も多く、流通量の多いヤモリですので飼育自体は決して難しくありません。
生息地域が同じなクレステッドゲッコーの飼育方法とほぼ同じで大丈夫です。
ケージ
樹上性のヤモリですので高さのあるケージを選びましょう。
最低でも高さ30cmクラスのケージを用意し、できるのであれば45~60cm程度の高さを用意できればレイアウトも存分に楽しむことができます。
ヤモリ系は前開きでメンテナンスのできる爬虫類専用の飼育ケージがオススメです。
床材
樹上性のヤモリであまり地上を歩くこともありませんので、ある程度湿度を維持することのできる床材であればOKです。
ヤシガラマット、水苔やソイルを使っても良いですし、新聞紙やキッチンペーパーでも構いません。
シェルター
特に用意する必要性もありませんが、できることであれば植物のレイアウトなどで陰になる場所を作ってあげると良いでしょう。
水入れ
地上に水入れを設置するよりは壁面に設置できる水入れを用意した方が良いでしょう。
水入れを認識できない個体もいるので、同時に朝夕の2回ほどに分けてケージ全体を霧吹きなどで湿らせてあげると壁面の水滴を飲んでくれます。
紫外線ライトなど
これはクレステッドゲッコーなどでもよく議論され賛否両論あるのですが、ガーゴイルゲッコー自体はクル病になりやすいヤモリなので紫外線ライトを設置するのも良いかもしれません。
その際は弱めのUV-Bライトを用意しておきましょう。
絶対に用意するべき!というほどのものでもありませんので好みで設置してあげましょう。
とまり木など
趾下薄板が小さめということもあり、とまり木は絶対に用意したいところです。
爪などが引っかかりやすい大きめのコルク樹脂や、やや太めの流木を用意すると良いでしょう。
ジャングルバインと呼ばれる人工蔦は自在に曲げることができ、程々の太さなのでオススメです。
温度と湿度管理 ヒーター類
クレステッドゲッコーと基本は一緒です。
温度は25~28℃をアベレージのケージ内温度とし、ホットスポットを30~32℃程度にすると良いでしょう。湿度も50~70%に保つようにし、乾燥のしすぎや蒸れすぎないように注意しておきます。
朝夕の2度ほどケージ全体を霧吹きをしてあげることで湿度をキープでき、またガーゴイルゲッコーの飲水の代わりにもなります。床材に保湿性が高いものを選んだり、ケージ内にポトスのような鉢植えを用意してあげると高湿度を比較的簡単にキープすることができるでしょう。
基本的な保温はケージの側面にパネルヒーターを貼り付けるだけで済みますが、冬場など室内が冷え込んでパネルヒーターのみでは保温しきれない場合には暖突などを用いて加温してあげましょう。
温度計
爬虫類の日々のお世話で肝となるのが温度管理と湿度管理になりますので必ず用意してあげましょう。
エサや給餌方法など
動物食傾向がやや強く昆虫などを好んで食べますが、人工餌にも餌付けやすいです。
人工餌はレパシーのスーパーフードクレステッドゲッコーやキョーリンのクレスゾルあたりがオススメです。
人工餌は栄養価が高いためあまり気にしなくても大丈夫ですが、昆虫食などを与える際はカルシウムなどを必ずダスティングしてからあげましょう。(ガーゴイルゲッコーはカルシウム不足になりやすいため)
給餌間隔としては、ベビーの頃は毎日食べる分だけ与え、アダルトになってからは2~3日に1回ほどに抑え、腹八分目を目安に与えていきます。特に人工餌は栄養価が高いことから少し太りやすいため気をつけましょう。
ハンドリング
CB化が進んでいるため温厚な性格の個体が多いです。あまりシャカシャカと動くヤモリでもないのでハンドリングは比較的容易と言えます。
ただしガーゴイルゲッコーは顎が発達していて噛まれると結構痛いので注意しましょう。
危機を感じると自ら尻尾を切ってしまいます。クレステッドゲッコーとは違い、尻尾はまた生えてきますが多大なストレスになることは間違いないので気をつけましょう。
気をつけるべきポイント
ガーゴイルゲッコーは共食いをする種として知られ、また尻尾をよく狙うことから「テールイーター」とも呼ばれます。
これは雌雄には関係なく、サイズなどもあまり問わないので飼育する際は単独飼育が基本です。
繁殖を狙う際も相性をよく見極め、相性が合わないようであれば速やかに隔離しましょう。
記事中に何度か述べていますが、カルシウム不足が原因とされる『くる病』に罹りやすいとされるヤモリですので、カルシウムについては積極的に与えていきましょう。
さいごに
ガーゴイルゲッコーの飼育におけるポイントをまとめてみます。
設備コストは低め
カルシウム要求量が多め
紫外線についてはお好みで
単独飼育が基本
エサは人工餌に餌付ければ楽
ハンドリングは比較的楽
大抵のことはクレステッドゲッコー飼育を参考にすれば良いので、初心者の方でも安心して飼育できるヤモリと言えるでしょう。
値段が少し高めかな…と思いますが、他のチャホウアゲッコーやジャイアントゲッコーに比べればだいぶマシと言えます。
愛嬌のある顔に加え、人工餌のみでも飼育ができるということから虫が苦手な人にもオススメです。
以上、ガーゴイルゲッコーの生態と飼育方法でした。
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