今回ご紹介するのは『カリキン』の愛称で知られるカリフォルニアキングスネークです。
キングという名前が付きますが、全長はどんなに大きくとも2mに満たない程度で、実際は120~150cmとコーンスネークとあまり変わらないサイズです。
ナミヘビとしてはコーンスネークと双璧をなすペットスネークとして知られ、初心者の方にもトラブルが少なく飼育できるので非常にオススメの爬虫類です。
この記事ではカリフォルニアキングスネークの生態と飼育方法についてまとめていきますので、何かの参考になれば幸いです。
カリフォルニアキングスネークの生態
カリフォルニアキングスネークの基本情報
和名:コモンキングヘビ
分類:ナミヘビ科ニキングヘビ属
分布:アメリカ合衆国カリフォルニア州・アリゾナ州・オレゴン州など
全長:最大2m
食性:動物食
繁殖:卵生
鮮やかな白と黒の体色が特徴的で、コーンスネークと似たスリムな体格をしています。
カリフォルニアキングスネークの生態
適応能力が高く、農耕地や森林など様々なところに生息。標高の高いところから低いところまで幅広く分布しています。荒い性格をしていますが、毒などは持っていません。
食性が幅広く、小型の哺乳類から爬虫類、両生類まで好き嫌いすることなく捕食することで知られています。現地では猛毒種のガラガラヘビをも捕食する攻撃性を持つことから『キング』の名前が与えられました。(ガラガラヘビの毒に対しては耐性を持っています。全ての毒の耐性があるわけではない)
ヘビらしく単独で行動し、基本的には昼行性で昼間に行動を行いますが、暑い時期などは夜行性になることもあります。地上棲のヘビではありますが、立体行動も巧みにこなすことから半樹上棲の性質も若干持ち合わせています。
春季に繁殖を行い、平均して10個程度の卵を産み、2~3ヶ月程度で孵化します。
性成熟には3年ほどの年月が掛かり、飼育下における寿命は20年を超えるとされています。
性格や値段など
ペットスネークとしてはコーンスネークの次に歴史が古く、飼育者もとても多いヘビです。そのため流通量もそれなりに多く、初心者にも手の出しやすい手頃な値段で入手することができます。
イベントもしくはショップでお迎えをする場合は2~4万円を目安にすると良いかもしれません。もちろん安い個体もいますし、美しいモルフの個体などは倍以上の値段が付けられていることも珍しく有りません。
性格はコーンスネークと比べると荒い性格の個体が多く、手や顔にむかって飛んでくることもあります。そのことからカリフォルニアキングスネークは『おバカちゃんな性格』と揶揄されることもあります。
ただしこれはカリフォルニアキングスネーク自体の『捕食モード』へのスイッチの切り替えが非常に早いことと、手にエサの臭いが残っていたりすることが原因なので、そのあたりをしっかりと対策をすれば扱いやすいヘビと言えるでしょう。
カリフォルニアキングスネークの飼育方法
基本的にはコーンスネークと同様の飼育設備で飼育が可能です。
最低限度の飼育設備ならば1万円程度、しっかりとした設備を用意するならば2~3万円ほどあれば大丈夫でしょう。
ケージ
カリフォルニアキングスネークに関してはさほど広いケージは必要なく、とぐろ4~5個分程度の底面積が確保できれば問題ありません。最終的には幅60cm×奥行30cmまたは幅60cm×奥行45cm規格のケージで終生飼育をすることが可能でしょう。
ベビー期のころから大きなケージに入れると中々落ち着かないことがありますので、ベビー~ヤングの個体をお迎えした場合は小さなケージ(プラケでOK)から少しずつ大きくしてあげると安心です。
飼育するだけならば最後までプラケでも問題はありません。ですが飼育を楽しみたい、見栄えが気になるという方であれば爬虫類専用ケージであるグラステラリウムやパンテオンなどを導入すると良いでしょう。(ヘビは脱走名人なので蓋がしっかり閉まるものが望ましいです)
値段はそれなりにしますが、上からではなく横からお世話をすることができるなど機能面や耐久性でとても優れています。
床材
アスペンチップのようなウッドチップのものや、キッチンペーパーや新聞紙、ペットシーツが候補として挙げられます。
レイアウトを凝りたい場合などはアスペンチップやヤシガラマットなどを使うと本格的な雰囲気になります。保湿性も比較的高いので湿度管理の助けになるでしょう。
キッチンペーパーやペットシーツなどは入手が簡単で、取替も楽なのでメンテナンス性が向上するというメリットがあります。
シェルター
あっても無くても良いという意見が多いですが、隠れること自体は好きなヘビですのでなるべく用意してあげたいところです。
ヘビは密着感があるものを好みますので、とぐろを巻いた状態でピッタリと合うサイズのシェルターを用意してあげると良いでしょう。
上部に水を溜めて湿度を維持することができ、脱皮の際の取っ掛かりにもなることのできる陶器製のウェットシェルターなどがオススメです。
水入れ
水浴び場になるだけでなく、飲水にもなりますので絶対に用意してあげましょう。
水入れ自体は100均のタッパーなどで大丈夫です。常に新鮮な水を用意し、水入れの中で排泄等をしてしまった場合には直ぐに取り替えてあげます。
紫外線ライト類
昼行性のヘビであると生態の項で説明しましたが、さほど活動的なヘビではなく日光浴もさほど行わないので特に用意する必要はありません。
お好みで鑑賞性を高めるために蛍光灯などを用意する程度で良いでしょう。
温度と湿度管理 ヒーター類
温度に関してはホットスポットを32~35℃程度、それ以外の場所は25~28℃程度にして温度勾配を作ってあげると良いでしょう。寒さにもそれなりに耐えられますが、消化不良や拒食を引き起こす可能性があるのでむやみに冷やす必要はありません。
冬以外の季節は基本的にパネルヒーターをケージ底面部に敷くだけで保温は大丈夫です。寒さの厳しい冬場などはサーモスタッドにつなげた暖突でケージ全体を保温してあげましょう。
湿度に関してはヤング~アダルトの個体であればそこまで気にしなくても大丈夫です。(水入れがあるため)
ただし、ベビーの場合は高湿度をキープする必要があるので朝と夕方の霧吹きは欠かさず、できれば床材に水苔などを使って湿度を維持してあげましょう。
エサや給餌方法など
野生下では爬虫類を好むようですが、飼育下の場合は冷凍マウスのみで飼育が可能です。
熱すぎないお湯で解凍し、ピンセットを使って給餌を行います。胴の太さ程度のマウスをチョイスし、ベビーなら週2回程度、アダルトならば週に1度くらいの給餌で大丈夫です。
給餌量は個体差が大きいので一概には言えませんが、概ね2~3匹で満腹になるくらいが目安と言って良いでしょう。
ハンドリング
コーンスネークに比べると荒っぽい性格をしているので、慣れるまでは少し大変です。
特に手にマウスの臭いなどが残っているとアタックしてくる可能性が高いので気をつけましょう。
日々のお世話
温湿度のチェックと排泄物の処理くらいです。
特にヘビは地面を這って行動するので、排泄物は速やかに取り除かないと体中にへばり付いて落とすのが大変です。
飼育において気をつけること
カリフォルニアキングスネークはその貪欲な食欲から拒食に陥りにくいとされているのであまり拒食で悩むことは少ないかもしれません。
気をつけるべきなのは荒っぽい食べ方で口の中が傷ついてしまうマウスロットでしょうか。
食欲不振になっていたり、口に膿などが付いている場合は速やかに動物病院へ連れていきましょう。
さいごに
カリフォルニアキングスネークの魅力を以下にまとめてみました。
冷凍マウスのみで飼育可能
設備投資は少なくて済む
コーンスネークほどではないが、モルフが豊富
食欲が旺盛
何かと優等生なコーンスネークに比べると少しヤンチャな面が目立つでしょうか。
ヤンチャとは言いますが、ヘビ飼育において頭を悩ませがちな拒食に陥りにくいその食への貪欲さはとても安心できるポイントでもあります。
モルフもコーンスネークに比べると少なめですが存在しますので、好みの個体を選ぶと良いでしょう。
コーンスネークと並ぶナミヘビの2大巨頭カリフォルニアキングスネーク。興味が出てきたら飼育にチャレンジしてみては如何でしょうか。
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