今回はカメレオンによく似たトカゲである『カメレオンモドキ』についてご紹介します。
今までは比較的地味な存在で影も薄いトカゲだったのですが、最近になって飼育しやすいという面がピックアップされじわじわと人気が上がってきました。
カメレオンに似ているけれど、比較すると結構違う…そんなカメレオンモドキの生体と飼育方法についてまとめてみました!
カメレオンモドキの生態
カメレオンモドキの基本情報
英名:Fales Chameleon
分類:アノールトカゲ科カメレオンモドキ属
分布:キューバ
食性:肉食性(昆虫食強め)
繁殖:卵生
学名などについては現在研究中ということもあり、表記にブレがあるようです。
海外の参考資料を元に書いていますが、確実なものとは限りません。
日本に流通しているカメレオンモドキは『フトヒゲカメレオンモドキ(バルバータスとも)』と『ポルカスカメレオンモドキ』の2種ほどになります。
現地のキューバでは現在5~7種ほどのカメレオンモドキが確認されているようですが、日本に入ってくることはほぼ無いので、上記の2種の生態と飼育方法についてまとめていきます。
カメレオンモドキの生態
英名でFales Chameleon(偽カメレオン)と名付けられている通り、カメレオンによく似た性質をもつトカゲとして知られています。似ているポイントは以下の通り。
目が左右別に動く
体色が変えられる
「おっカメレオンっぽいな」と思うかもしれませんが、『目が左右別に動く』『体色が変わる』というポイントについては「あぁ、言われてみれば…」という感じです。
カメレオンほど巧みな樹上行動を行うわけでもありませんし、舌も伸びません。カメレオンの特徴的な指をしているわけでもなく、しっかりとした5本指で木に捕まっています。おまけに正確にはイグアナの仲間です。
トカゲではありますがヤモリのように趾下薄板を持っており、身体が小さいうちはガラス面などにも器用に張り付くことが出来るようです。
野生下においては広葉樹林に主に生息し、比較的湿度の高い環境を好みます。
昆虫もしっかり食べますが、大きな顎を使うことで野生下ではカタツムリを好んで捕食しているようです。
カメレオンモドキの種類
上記でも述べた通り、カメレオンモドキは現在5~7種類ほど発見されていますが、現在日本に流通しているのは2種類程度ですので、そちらをご紹介します。
フトヒゲカメレオンモドキ
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バルバータスカメレオンモドキとも呼ばれます。ショップなどによって表記が違うので覚えておくと良いかもしれません。
喉にデュラップと呼ばれる威嚇などに使う膜を持ち、このデュラップに付いている突起物が名前の由来となっています。
頭部が非常に大きくスラっとした体つきをしています。全長は成体で30cm前後。
ポルカスカメレオンモドキ
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幼体の頃はフトヒゲカメレオンと対して変わらない感じです。
顔つきが若干長く、身体はフトヒゲカメレオンモドキより大きくなることが多いようです。
性格と値段
温厚…というか活動的な爬虫類でもないので比較的穏やかな個体が多い印象です。
ベビーの頃は威嚇やダッシュで逃げ出すこともあるのでハンドリングを行う際は注意しましょう。
値段に関してもCB個体が多数流通しているわけでもないので、比較的高価なトカゲと言えるでしょう。
イベントなどでは3~5万円で取引されているのを確認できましたが、あくまで目安として捉えてくださると幸いです。
カメレオンモドキの飼育方法
基本的な飼育方法は「クレステッドゲッコー」に似ている感じです。
既にクレステッドゲッコーを飼育されている方などはスムーズに飼育に入れるかもしれません。
ケージ
樹上棲ということで高さのあるケージを用意しましょう。
特に活動的なわけではありませんので、大きさ自体はあまり求められません。アダルトの個体1匹ならば幅30cm×奥行30cm×高さ45cmのケージで飼育できます。
繁殖を狙ってハーレム飼育を狙うのであれば高さ60~90cm程度の大きさを使うと良いでしょう。
オス同士は激しく争いますので同じケージには入れないようにしましょう。
床材
樹上棲のトカゲであり、地上に降りてくることはほぼ無いのでトカゲにとって危険性のあるものでなければ自由に床材を選べます。
ヤシガラや水苔ならば空中湿度の維持が楽になりますし、メンテナンス性を重視するのであればキッチンペーパーなどを使いましょう。
シェルター
シェルター代わりになるものとしてポトスのような植物を入れて木陰を作ってあげると良いでしょう。木陰で隠れられるのに加え、葉についた水滴などが飲水にもなるので植物を入れることは意外に重要です。
ケージ内の湿度は高くなりがちなので、ポトスなどが候補に挙げられます。
止り木
樹上棲ですので止り木は必ず必要になります。
人工蔦であるジャングルバインやコルク、大きめの流木などでレイアウトしてあげましょう。
大きさとしてはカメレオンモドキの胴体よりも太いものをチョイスしてあげると良いかと思います。
水入れ
カメレオンモドキを飼育する上で最も気をつけたいのが飲水の問題です。
カメレオンモドキは非常に水をよく飲む爬虫類で、霧吹きだけでは足りないケースもあります。
脱水になると食欲も落ち、見るからに状態が悪くなるので水入れは必ず用意しましょう。
アリオンから磁石でくっつけるタイプのものがオススメですが、認識しない場合もあるので複数の水入れを用意するのも良いでしょう。
ライト類
生息地的に強い紫外線を必要としない場所で生きていますので、弱めのUVBライトで十分でしょう。
温度と湿度管理とヒーター類
暑すぎる環境は好まないようで、28℃程度が適温とされています。
余程寒い部屋でもなければ壁面にパネルヒーターを設置するだけで大丈夫です。
パネルヒーター付近は28~30℃程度になるように調整し、他の場所に涼しいポイントを作って温度勾配を作ってあげましょう。
冬場は暖突などを使って全体的に温度の底上げをしてあげると良いです。
湿度は高めで管理すると脱皮不全の予防にもなり、状態良く管理できます。朝と夜にしっかり霧吹きを行って60~80%程度の湿度を維持できるようにしましょう。
エサや給餌方法など
野生下ではカタツムリを捕食しているのでスネール缶を使うのも有りですが、入手難度や金額的にもコスパはあまり良くないので、冷凍コオロギやラコダクフードを使うことをオススメします。
動きは比較的緩慢なので活エサを放虫するよりもピンセットなどで与えることが望ましいです。
カタツムリを捕食していることからカルシウムの要求量は比較的多いかと思いますのでダスティングは行っておくと無難です。
飼育において気をつけること
湿度と飲水の管理に尽きるかと思います。
逆を言えばこれ以外の要因では特にトラブルが起きづらい爬虫類とも言えるので、重点的に管理すべきポイントがはっきりしているとも言えます。
さいごに
カメレオンモドキの飼育について以下のポイントにまとめてみました。
エサは人工餌でもOK
スペースはそこまで必要なし
紫外線は必要(高温のホットスポットは不要)
カメレオンモドキ自体の大きさも30cm程度とほどほどのサイズ感で、飼育自体もそこまで難しくはないので初心者の方にもオススメしやすい爬虫類かと思います。
いかんせん地味で不活発なのがネック(魅力とも?)ではありますが、クセのある個体の多い樹上棲トカゲの中では抜群にペットリザートとして優秀です。
ちょっと変わったトカゲを飼育してみたい!という方はカメレオンモドキなどいかがでしょうか。
以上、カメレオンモドキの生態と飼育方法でした。
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