【不思議な青い舌】アオジタトカゲの生態と飼育方法を知ろう

トカゲの飼育方法

今回は不思議な青い舌を持つ爬虫類『アオジタトカゲ』をご紹介します。

トカゲとしては比較的大型で、飼育者も多い人気種の爬虫類。

飼育法もほぼ確立され、初心者でも扱いやすい種として知られています。

アオジタトカゲの生態

アオジタトカゲの基本情報

学名:Tiliqua(アオジタトカゲ属)
英名:Blue tongued skink
分類:爬虫綱有鱗目トカゲ科アオジタトカゲ属
分布:オーストラリア・インドネシア・パプアニューギニアなど
全長:約50~70cm(種による)
食性:雑食性
繁殖:卵胎生

見た目は太い胴体に小さな手足が生えていて『ツチノコ』のような印象を受けます。

最大の特徴は名の通りの『青い舌』。青い舌を持つ理由は外的に襲われた際に威嚇として使われることがあります。

アオジタトカゲの生態

オーストラリアで初めて発見された大型のスキンク。地表棲かつ昼行性であり、森から砂漠まで幅広い場所に棲息していますが、オーストラリアの街中などでも見かけることがあるようです。

ずんぐりとした胴を持ちながら手足は小さく、お腹を這うようにして移動しますが、意外にも俊敏に動くことができます。

オーストラリアの爬虫類らしく頑丈で何でもよく食べ、昆虫から小動物、または果実なども食べます。

またアオジタトカゲは産地ごとに多くの種類が確認されており、それぞれサイズや体色が違うことが知られています。

アオジタトカゲの種類

アオジタトカゲは亜種や体色を含めて種類が多いことで知られます。

ここでは代表的な種類、または流通量の多い種類に絞ってご紹介します。

ヒガシアオジタトカゲ

オーストラリア東部に分布するアオジタトカゲ。全長は50~60cm程度。

古くから親しまれていた種でもあり、模様も豊富。

しかしながらオーストラリア原産ということで、市場では中々お目に書かれず値段も高いです。

キタアオジタトカゲ

オーストラリア北部に分布するアオジタトカゲで、全長は70cm程度と最大種として知られます。

ヒガシアオジタトカゲと比べるとCBの流通が多いので、イベントやショップなどでもそこそこ見ることができます。

チュウオウアオジタトカゲ

オーストラリア西部から北部に分布しているアオジタトカゲ。

全長は30~45cm程度とかなり小型で、普通のアオジタをギュッと縮めたような姿をしています。

種親が少ない影響で流通は非常に少なく、イベントなどで極々まれに見かけますが、非常に高価なアオジタトカゲ。

キメラアオジタトカゲ

インドネシアに分布する小型のアオジタトカゲ。最大全長も50cm程度。

小型のアオジタではありますが、体格はガッチリしていて結構厳つい顔をしています。

アオジタの中でも相当に性格が荒い個体が多く、慣らすまでそれなりに時間が掛かります。

アンボンアオジタトカゲ

流通の歴史は古く、ハルマヘラアオジタトカゲやオオアオジタトカゲとも呼ばれます。

オオアオジタトカゲとも呼ばれますが、決して最大種というわけではなく、体格はひょろ長い印象を受けます。

エナメル質ような光沢と黒いバンド模様が特徴的。

メラウケアオジタトカゲ

パプアニューギニアに分布しているアオジタトカゲ。パプアんアオジタトカゲとも呼ばれます。

アオジタの中でも最大とも言えるほど大型で、流通量も多いです。

値段もそこそこで、性格もおだ

性格や値段など

キメラアオジタトカゲなどは荒い個体が多いですが、基本的にアオジタトカゲは温厚な爬虫類と言って良いでしょう。多少荒い個体でも時間とともに慣れてきます。

値段に関しては産地によってバラバラです。

インドネシア産のアオジタトカゲに関しては数万円ほどで取引されており、初心者でも手が届きやすいですが、オーストラリア産のアオジタトカゲに関しては値段が跳ね上がります。

また、メラニスティックといった突然変異個体も非常に高値がつきやすいです。

アオジタトカゲを飼育する

大きめのトカゲですのでそれなりにスペースは必要となりますが、アオジタトカゲを飼育する設備はいたってシンプルです。

ケージ

少なくともアダルトの体長×1.5倍程度の幅を確保したいので、幅90~120cm×奥行45cmサイズのケージが望ましいです。

ベビー~ヤングサイズくらいなら小さめのケージでも問題ありませんが、アオジタトカゲはあっという間に成長する爬虫類ですので、最初から大きめのケージを用意したほうが後々楽です。

立体行動はあまりしないので高さはさほど重要ではありません。最低でも30cmほど確保できれば問題ないでしょう。

ですが、蓋は絶対に用意しましょう。あの見た目からは想像できませんが、強靭な尾を使って壁に向かって垂直に立てたりします。

専用のケージでなく衣装ケースを使うのもいいですが、アオジタは上からのお世話を嫌う個体が多いので扱いに注意。

単独飼育が基本です。他の種類の爬虫類に関しては攻撃性を出したりするので、多頭飼育はなるべく避けましょう。

床材

そのへんで拾ってきた土などの明らかに危険度の高い床材以外なら飼育者の好みによって選択肢は多いです。

ハスクチップ、爬虫類用飼育土、人工芝やペットシーツ、パームマットあたりが候補になります。

アオジタトカゲは潜るのが好きな個体が多く、潜ることで落ち着くようなのでハスクチップなどの潜れる床材がファーストチョイスに挙がるかと思います。

手軽さで言えばペットシーツや人工芝は手入れが楽で、衛生的な環境を保てます。

シェルター

涼しいところに隠れられるようなシェルターを用意してあげましょう。

アオジタにとって危険なものでなければ何でも良いです。

水入れ

特に湿度を必要としないアオジタトカゲですが、脱皮の際は水に浸かったりするので全身が疲れるくらいの水入れを用意しておきましょう。

地面を這って移動するので、ひっくり返されにくい重さのものをチョイスすると良いです。

また水入れはあっという間に汚くされるのでこまめに水を交換しましょう。(水道水で大丈夫です。)

ライト類

昼行性のトカゲということで紫外線が必要なのですが、これがまた無くても飼えてしまうのがアオジタの不思議なところです。(種類によっては必ず必要なことも)

あってもいいし、なくても良いという結論なのですが、初めて飼育する場合は用意してあげたほうが無難です。

また、バスキングライトも使用してホットスポットを作ってあげましょう。

ガッツリ熱くする必要はなく、35~40℃に満たないくらいの温度が目安です。

温度の確認にはサーモガンが便利です。

温度と湿度管理

昼間のうちはしっかり加温し、夜は温度を下げるのが基本です。

昼間はホットスポット以外の涼しい場所を20℃以上に保ち、夜は15℃くらいまで下げても平気ですが、やりすぎに注意。

温度の確保が難しいようなら保温球やパネルヒーターを使って温度の底上げをしましょう。

湿度に関してはざっくりと分けてインドネシア系は多湿、オーストラリア系は乾燥させるという認識で良いです。お迎えしたアオジタの名前はよく覚えておくと良いです。

乾燥系のアオジタは多少湿っていても平気なので、ざっくり30~50%程度の湿度を確保すれば大きな問題は起きないと思います。

エサや給餌方法など

アオジタトカゲは雑食性で、野菜や昆虫、果物などを食べます。

ですが、好みにうるさい個体も多く、特に野菜に関しては好き嫌いがある個体がいるようです。

野菜は小松菜やケール、小松菜などがオススメです。昆虫はコオロギやデュビアなどを与えましょう。活エサでも冷凍エサでもよく食べます。

アオジタは成長速度が早い爬虫類ですので、生後1年で一気に仕上げて、あとは肥満にならないようにエサを与えていくのがコツです。フルーツのみ、野菜のみといった偏食をさせないように気をつけましょう。

生後1年を過ぎるまでは肉がメインのエサ(ウェットタイプのドッグフードやキャットフード)を中心に与えます。同時にカルシウムをしっかりダスティングするのを忘れないように。アダルトサイズになったら色々なエサをまんべんなく与えていきましょう。

レパシーからアオジタトカゲ専用の人工餌も登場しているで、そちらを活用するのも良いです。

成長期は毎日、もしくは隔日でエサを与えると良いです。あまり食い溜めをするような種でもないので、あまりに期間があくとすぐに状態を崩します。

半年を過ぎたら2~3日に1度程度の給餌間隔で大丈夫かと思います。アオジタトカゲの食欲があるかないかを確認して給餌間隔を調整しましょう。(アダルトなら週に1~2回程度)

困ったことにアダルトサイズのアオジタトカゲ肥満になりやすいです。ずんぐりとした体格の影響で肥満がわかりにくいのでこまめに体重を測っておくと良いでしょう。

アオジタトカゲのまとめ

同じ昼行性トカゲのフトアゴヒゲトカゲなどに比べると、非常に設備投資も少なく済む印象です。

身体も頑強で、大型のトカゲなので存在感も抜群。おまけに人工餌にも餌付けやすくハンドリングも比較的容易と非常にペットとして優秀な爬虫類といえます。

おまけに飼育者も多いので、情報の入手と共有がしやすいのも有り難いポイントです。

ネックとしては種によって値段が大きく変わってくるのと、排泄物の臭いがそれなりにキツイところでしょうか。

以上、不思議な青い舌がなんともミステリアスなアオジタトカゲの飼育方法のまとめでした。

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