こんにちは。
今回はモモジタトカゲの生態と飼育方法についてご紹介します。
見た目はアオジタトカゲと非常に似ていますが、よくよく見ているとアオジタトカゲと違った特徴を多く持つ爬虫類です。
非常に飼育しやすいとされる爬虫類ですので、もしかしたら今後人気が出てくるかも…?
モモジタトカゲの生態
モモジタトカゲの基本情報
英名:Pink tongued skink
分類:トカゲ科モモジタトカゲ属
分布:オーストラリアの東部
全長:40~48cm
食性:雑食
繁殖:胎生
見た目は『ひょろ長いアオジタトカゲ』のような印象を受け、チロチロと舌を出す様子は蛇によく似ています。
『モモジタ』という名が付けられている通り舌がピンク色なのが特徴ですが、ベビー~ヤングサイズにおいてはアオジタトカゲのように青色の舌になっています。
モモジタトカゲの生態
基本的には森林に生息するトカゲですが、湿地帯から乾燥地帯まで幅広い環境に適応して生きています。
ベビーの頃は体に特徴的な黒い縞模様が入りますが、成長とともに薄れていくことが多く、稀にバンドがうっすら残った個体もいるようです。
体の半分以上が尾で占められており、45cm程度のサイズでもそれほど大きさを感じさせません。
地表棲のトカゲですが、樹上での行動も巧みで鋭い爪と長い尾を使って器用に木に登ることができ、地表を歩くときは後ろ足を伸ばし這うようにしてスルスルと行動します。
薄明薄暮性または夜行性であるとされていますが、昼に日光浴をすることもあるなどそれなりに活動的です。
食性は雑食性で、野生下においては巻き貝やカタツムリを捕食しており、殻を噛み砕けるように顎の力はそこそこ強いです。
性格や値段など
ベビーの頃は警戒心がやや強く陰気で、スキンクらしい俊敏な動きをしますが、成長するにつれておとなしく温厚になりやすい性格です。
生き物の輸出に厳しいオーストラリアのトカゲですので、流通量はあまり多くありません。
よって値段も高騰しがちで、最近また少し値段が上がってきている印象です。
少なくとも4万円以上で現在は推移しています。
オーストラリアのトカゲということで、野生個体が流通することは無く、現在流通しているモモジタトカゲはヨーロッパでのCB個体が大半を占め、国内CBの流通は極めて稀です。
モモジタトカゲの飼育方法と飼育設備
モモジタトカゲはアオジタトカゲに良く似ているため、飼育方法もアオジタトカゲと同じだと思われがちです。
ですが、実際のところ細かいところで差異があり大事なポイントもいくつかあるのでしっかりチェックしておきましょう。
ケージ
モモジタトカゲはヤングまでのサイズならば特大のプラケ、最終的には底面積60cm×30cm程度のケージで終生飼育することができます。
ペアで飼育するなら60cm×45cm以上のサイズならば大丈夫でしょう。
高さはそこまで無くても大丈夫ですが、立体行動も巧みに行うので流木でレイアウトを組むと色々な姿を見ることができるかもしれません。
温厚で協調性のある生き物なので、オス同士でもなければ多頭飼育が可能とされています。(相性もあるのでしっかりチェックしましょう)
床材
モモジタトカゲはある程度湿度があったほうが状態良く飼育できるので、床材には保湿性に優れたモノが望ましいです。
候補としてハスクチップや水苔が挙げられ、赤玉土などと組み合わせて使ってテラリウムのようにしてもいいかもしません。
モモジタトカゲは潜るのも結構好きなので、気持ち厚めくらいに床材を敷いても良いです。
1日1回程度霧吹きを行い、やや高めの湿度をキープしてあげましょう。
シェルター
ヤング程度までならば陶器製のウェットシェルターで十分ですが、アダルトサイズになるとそこそこの大きさになるので、大きめのシェルターを用意しましょう。
オススメなのはトンネル状になったコルク製のシェルターで、見栄え的にもハスクチップのような床材と非常に良く合います。
水入れ
湿潤な環境を好むモモジタトカゲですが、全身が浸かることのできるような水入れは特に必要ありません。(あっても特に問題はありません)
飲水用の器を最低限用意してあげましょう。
ライト類
見た目が似ているアオジタトカゲはライト類が無くても飼育可能と言われていますが、モモジタトカゲは紫外線ライトがあったほうが良いです。
野生下においても日光浴をする姿が確認されていますし、飼育下でもライトの下でバスキングを行っている姿をよく見ます。
モモジタトカゲにはさほど強い紫外線は必要なく、弱めのUVBライトで十分ですので用意してあげましょう。
温度と湿度管理
モモジタトカゲはオーストラリアのトカゲらしく丈夫なトカゲです。
フトアゴヒゲトカゲのように高温のバスキングスポットなどは必要なく、どちらかというとケージ全体を25~28℃程度に保温することを意識しましょう。
這って移動するタイプのトカゲですので、ケージ底面に敷くパネルヒーターさえあればある程度温度勾配をつけられるので、冬以外は乗り切れます。(夏はクーラーの使用も視野に)
冬は温度確保のため、暖突や保温球を使ってケージ内の温度を底上げしてあげましょう。
何度か述べていますが、比較的湿度があったほうが調子の出るトカゲですので、毎日1回くらいは霧吹きでケージ内を湿らせてあげましょう。
エサや給餌方法など
モモジタトカゲ飼育をオススメする上で、最も優れたポイントと感じているのは『カメのエサ』で飼育ができることです。
野生下では巻き貝やカタツムリを食べていたということもあり、昔はエサの入手が難しく飼育難易度も高いトカゲとされていました。
ですが、近年になって『ミズガメ用のエサ』や『キャットフード』『ドッグフード』に餌付くことがわかり、一気に飼育しやすいトカゲとして認知されるようになりました。
給餌方法としては、Mazuriのミズガメフードやレプトミンなどを水でふやかして与えるだけで大丈夫です。
個体によってカリカリの状態やふやかした状態で好みがあるようなので、両方用意して好みを確かめると良いかも知れません。
その他に、食べるのであればアフリカマイマイを使用しているスネール缶を与えても良いでしょう。
雑食なのでコオロギやピンクマウスにも餌付くことがありますが、ミズガメフードかキャットフードのほうが手軽かつ栄養価が高いのでオススメです。
ベビーのうちは毎日給餌し、ある程度育ってきたら間を空けて給餌しましょう。
モモジタトカゲのまとめ
アオジタトカゲに比べると程よいサイズで、飼育環境にもそれほどうるさくなく、ミズガメ用のフードで飼育できてしまうモモジタトカゲは初心者向けでも扱いやすい良いトカゲです。
ベビーの状態で入荷されることが多いトカゲなので、大きくなるまでの成長過程を存分に味わうことができます。
ネックなのはオーストラリアのトカゲなので流通量が少なく、生体の値段が高めなことくらいでしょうか。
近年じわじわと人気が高まってきて少しずつ数は増えている印象ですが、即売会イベント等では早い段階で売れてしまっていることもあります。
近場の爬虫類ショップに入荷されたらぜひ飼育を検討してみてはいかがでしょうか。
以上、モモジタトカゲの生態と飼育方法でした。
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